2025年09月12日
訪問看護の現場から|before story
今回は、精神科の訪問看護をご利用いただいているAさんのお話をご紹介します。
Aさんは、もともとIT関係のお仕事をされていたとても努力家な方。
しかしお仕事に打ち込みすぎた結果、うつ病を発症し、長いあいだ引きこもりの生活をされてきました。
訪問を始めた当初、お部屋は物が散乱し、暗い雰囲気で、机には血圧計を置く場所さえなく、お風呂場も黒カビが広がっていました。
けれども私たちは、まずAさんのお話をじっくりとお聴きすることからスタートしました。
その中で見えてきたのは、Aさんの多彩な一面。
書道の本を出版されたり、自分でハンコを掘ったり、カメラや音楽にも親しまれていたことを知り、「もう一度、好きなことに触れてほしい」という思いが強くなりました。
そこで「一緒に少しずつ掃除をしてみませんか?」とお声がけをすると、Aさんからは「やってみたい」という前向きなお返事。
訪問のたびに一緒に片づけを進めることで、少しずつ環境が整い、今では再び好きな作業に取り組めるようになってきました。
もちろん、気分の浮き沈みはまだあります。
それでもAさんは、確実に“活動できる自分”を取り戻しつつあります。
人は誰しも、どんな状況からでも、少しずつ前に進むことができる。
私たちもAさんから、たくさんの勇気と学びをいただいています(^^)
この続きは、after storyでご紹介します!